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2008年5月25日 (日)

肖像権の侵害vs肖像権の侵害

先日、アキバBlogの中の人が、自信の写真を勝手にアップロードされたとしてアップロードした者の情報開示を行うようにプロバイダに請求していたことが話題になっていたようです。開示しない場合は弁護士までたてて請求するとか。

一方、アキバBlogは顔の部分は隠してはいるものの、被写体となる人物の許可を得ずに私人の写真を毎日のようにアップロードしていることから、肖像権の侵害が長く疑われています。

ところで、そもそも肖像権って何でしたっけ?

肖像権とは、肖像、すなわち人の形や姿およびその画像が持ちうる人権の一つと解釈され、明文化された権利ではなく、人が持つ一般的権利の一つと考えられています。

肖像権には人格権と財産権があり、人格権はすべての人々が持つ権利です。

人格権は被写体としての権利であり、被写体または被写体の画像の所有権者の許可なく撮影、描写、公開されない権利です。
自分の写真を勝手に公開されて恥ずかしい想いをするのは誰だっていやですよね。ひょっとしたら公開された写真が原因となってストーカーに付けねらわれてしまうかもしれません。
そんなことにならないように私人には人格権が認められています。

財産権は著名性を有する肖像が生む財産的価値を保護する権利で、公人が持つとされる権利です。
タレントや有名人は公人としてプライバシーが制限されてしまう恐れがある代わりにその肖像自体が財産的価値を持つことが多くあります。大好きなアイドルのグラビアとか写真集はお金を払って手に入れる価値がありますよね。そのようなお金に換算することが可能な肖像を保護するのが財産権です。

また、肖像権は時として制限を受けます。それは肖像を公に報道することの方が優越的利益を生む場合です。事件や事故などで肖像が公に報道された方がより多くの人々の利益になると判断される場合、「公の利益の範囲」を逸脱しなければ違法とならないと考えられています。
ただ、「公の利益の範囲」が果たしてどこまでなのかは個人個人によって考えが異なるため「公の利益の範囲」を逸脱して肖像を使用されたとして名誉毀損や侮辱などの行為が行われたとして時折裁判になっています。日本では肖像に関する法律はないため民事上は民法の一般原則に照らして判断されます。


さて、今回のように個人が判別可能な形で写真をアップロードするのは肖像権の侵害のように思えます。アキバBlogの中の人は自身の容姿をいわゆる「売り」にしてBlogを運営されているのではないようなので、肖像に財産的価値があるとは考えづらく、今回の件は私人としての人格権を(あるいは私人としてのプライバシーも)侵害されたとして情報開示を求めたのでしょう。

一方、アキバBlogは被写体となる人々の許可を得ずに肖像を掲載しています。顔を隠しているため一見個人の判別は不可能なように思えますが、被写体の知人や被写体本人が見た場合は個人が特定できそうな隠し方です。もし、被写体本人が肖像の掲載の取り下げや賠償請求をしてきた場合アキバBlogは迅速な対応を迫られる可能性があります。アキバBlogはあくまで一個人のBlogであり記事の内容の公益性が肖像権に優越すると考えるのは少し難しいかもしれません。


ところで、アキバBlogでは被写体の顔を隠すために「笑い男」のマークを使用しています。
この「笑い男」のマークはイギリス人デザイナーのポール・ニコルソンがデザインしたもので、プロダクションIGが権利を管理している著作物です。テレビアニメ『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』にて繰り返し使用されました。
プロダクションIGではこの「笑い男」のマークを無断使用することを禁止しており、この「笑い男」マークを利用しているブログなどへ再三警告を行っているようですが、法的措置を警告すると一時的に使用をやめるものの、しばらくするとまた無断使用しているようです。
アキバBlogが無断使用しているとすればこちらは明らかな著作権法違反となります。

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