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2008年11月28日 (金)

ゲーム音楽販売のススメ(中編)

iPhone/iPod touch向けゲームのゲーム音楽を販売しよう!

思いのほか長くなったので中編を挟んだよ……
べ、別にネタがないからじゃないからね///



ぶっちゃけ、いくらかかる?
ゲーム音楽の販売を決めたものの、できることならお金はあまりかけたくない。
そりゃそうですよね。何かの記念ならともかく、収入源を増やすための販売ならコストは抑えたいところです。
では、それぞれの販売方式では一体いくらくらいかかるのか比べてみましょう。






「会員制パーソナルスペース」での販売
この方法の利点は、初期費用を低く抑える事が出来ることにつきます。
方法としてはレンタルサーバーを借りるか、会員制パーソナルスペースサービスを利用するかのどちらかになるでしょう。
(固定IPサービスなどを利用して独自にサーバを運営するという方法もありますけどね)

これらの方法は月額課金となるので、ファン向け有料サービスと組み合わせると非常に有効になります。
仮に10,000人のユーザーがいる場合、ファン向け有料サービスに登録するユーザーは500人程度が期待できます。月額の会員費を諸経費をのぞいて200円に設定したとしても、毎月100,000円の収入増になります。

(まあ、10,000人のユーザーを獲得する方が大変だけど(笑)

逆に、ゲーム音楽を販売するためだけに利用すると、ユーザーは負担を重く感じるようになってしまうかもしれません。
他にもいろいろと方法はあるでしょうが、必要な出費がかさんでくる事が難点です。




レンタルサーバー
レンタルサーバの場合は月々500円程度の利用料でサーバを借りる事が出来ます。
レンタルサーバ事業者の中にはオプションで会員制パーソナルスペースを開設するためのオプションサービス(クレジットカードの代金回収代行など)を提供しているところもあります。


会員制パーソナルスペースサービス
サーバを借りるほどではないとか、余計な手間を取りたくないときなどは、「vitCrew」のような会員制パーソナルスペースサービスを利用すると良いでしょう。

vitCrew






「同人ショップ・即売会・アルバム販売代行サービス・アマゾン・直販」での販売
これらの方法はゲーム音楽を主に”データ”ではなく”CD”で販売します。
CDで販売する利点は、音楽が「かたち」として残るという事です。ネットでのダウンロード販売は年々売り上げを伸ばしていますが、主流は今でもCDです。音楽はCDという「かたち」で残しておきたいという人は大勢います。この方法は、そのような人々にあなたの音楽を届けるための方法です。

CDは、CD-Rを自分で焼いて製作するか、専門の業者に外注をかけるかのどちらかになります。
日本では、CD-Rで製作された音楽CDはスタンパーで作られるCDよりも質が低いと思われがちですが、音楽CDとしての質はほとんど変わりがありません。

ただ、CD-Rで製作する場合、製作環境からノイズをどれだけ排除できるか、使用するCD-Rの質やCD-RドライブとCD−Rの相性などで品質に差が出てくるのも事実です。このあたりは勘と経験がものをいう部分が大きいので、いろいろと試してみる必要があるでしょう。
ちなみに、高い機材や高いCD-Rを用いたからといって質が上がるわけではありません。
CD-Rで音楽CDを製作する際は「自分に出来る範囲で努力する」くらいの気持ちでいた方がいいかもしれませんね。

自宅でCD-Rから音楽CDを製作する際の最大の問題は「数が作れない」ことです。
時間さえかければ何枚でも作れますが、一度に作れるのは数十枚からせいぜい100枚くらいだと思います。”気力”が尽きるんですよね……

音楽CD一枚あたりの製造費
パーツ 価格@1
合計 ¥200
CD-R ¥120
Pケース ¥50
OPP袋 ¥10
ジャケット用紙・インク代 ¥20



専門の業者に外注をかける最大の利点は手間の少なさです。
自宅でCD-Rから音楽CDを製作する場合は、すべての工程を自分の手でしなくてはなりませんが、業者に頼めば希望する枚数を確実に製作してくれます。
欠点は単価が高くなりがちな事です。仮に100枚完パケ(*)を業者に発注すると、海外製造で70,000円、国内製造で90,000円からかかる事になります。
一方で、大量に発注すると単価は一気に落ちて、1,000枚完パケが海外製造で120,000円〜150,000円から、国内製造でも150,000円〜200,000円からと、自分でCD-Rで作るよりも安価になります。
これは、専門の業者の場合スタンパーによってCDをプレスするため枚数が増えると製造原価が下がるためです。
業者によって価格に差があるのは、CDメディアの原価やスタンパーの交換頻度などが主な理由ですが、安いからといって雑な製品に仕上がるというわけではないのが悩ましいところです。

(*)完パケ 完全パッケージの略。この場合はプレスされたCD、CDのレーベル印刷、Pケース、ジャケット等がそろった状態の事。お店で売っているCDと同じような状態。

海外プレスの製造費例
枚数 価格 @単価
*これは一例です。
100枚 ¥80,000 ¥800
200枚 ¥85,000 ¥425
500枚 ¥100,000 ¥200
1,000枚 ¥120,000 ¥120
2,000枚 ¥220,000 ¥110
国内プレスの製造費例
枚数 価格 @単価
*これは一例です。
100枚 ¥100,000 ¥1,000
200枚 ¥105,000 ¥525
500枚 ¥130,000 ¥260
1,000枚 ¥170,000 ¥170
2,000枚 ¥250,000 ¥125

また、業者によってはプレス以外にCD-Rへのコピーサービスやレーベル面への印刷サービスも行っているところがあります。
以下に、同人ソフト専門プレス「もえCDプレス」の例を掲示します。

「もえCDプレス」CD-Rコピーサービス価格例
枚数 CD-Rコピーサービス CD-Rコピーサービス@単価 CD-Rコピー+レーベル印刷 CD-Rコピー+レーベル印刷@単価
*もえCDプレス価格表より製作
50枚 ¥13,000 ¥260 ¥19,500 ¥390
100枚 ¥25,000 ¥250 ¥37,500 ¥375
200枚 ¥46,000 ¥230 ¥73,000 ¥365
300枚 ¥63,000 ¥230 ¥106,500 ¥355
500枚 ¥85,000 ¥170 ¥167,500 ¥335



ゲーム音楽のCDを発売するにあたっては、やはりはじめは自宅でCD-Rで製作し、販売枚数がのびてきたら業者に外注するのが良さそうです。
このほかに、ジャケットやCDレーベル面のデザインを外注した場合はその費用が別途必要になります。

なお、海外への発送には「Kunaki」のようなオンラインデュプリケートサービスを利用するのも手です。

Kunaki

「Kunaki」は入稿されたデータをもとに記録型レーベルからCDやDVDを作成するサービスで、一枚からの発注に対応しています。
製造価格は完パケのCD(またはDVD)一枚あたり$1.75の固定となっており、これに送料が加算されます。
仮に、50枚の完パケCDを日本に発送してもらう場合、$154.50(約16,000円)で発送してもらえます。
費用には、バーコード(UPC)の発行費用とISRCの発行費用も含まれています。

Kunakiから日本にCDを発送してもらう場合の価格
枚数 トータル価格 @単価(1ドル100円として)
*Kunaki価格表より製作
1枚 $9.25 925円
10枚 $37.10 371円
50枚 $154.50 309円
100枚 $280.00 280円
200枚 $545.00 275.50円

「Kunaki」は一度の発注で200枚までしか頼めませんが、世界中に発送してくれる上に単価も安価です。試しに一枚自分に発送してみて、品質に不満がなければ国内業者のかわりに利用するのも良いでしょう。
「Kunaki」では、入稿されたデータは一年間保存されます。




同人ショップ
同人ショップとは、主にアニメ、マンガ、ライトノベル等の同人誌や同人ソフト商品を取り扱う小売店の総称です。

同人ショップ - Wikipedia

同人ショップでは同人作家が作成した同人作品の販売代行(委託販売)を行っています。
委託にはショップ側の審査があり、委託できるかどうか、どれだけの数を委託できるか、どの程度の期間委託できるかはショップ側の判断次第となります。
多くのショップの場合、店頭価格の3割程度を委託手数料として徴収しています。
販売価格は800円から2,000円がターゲットゾーンです。
販売価格は高くしすぎると手に取ってもらえないのは当然ですが、安くしたからといってたくさん売れるわけでもありません。バランスが重要です。また、商習慣としてショップへの卸値は即売会などでの販売価格を超えない事が求められています。
ショップによっては独自のダウンロード販売を行っているところもあります。


同人即売会
同人即売会は、同人作品の頒布を行う場であると同時に、同好の志との交流の場でもあります。
近年は規模の大きな即売会が増えてきた事から商業化が進んでいますが、基本は同じ趣味をもった人々の集まりです。

同人即売会として有名なのは、毎回延べ40万人が参加する「コミックマーケット」ですが、その他にも大小さまざまな即売会が全国で開催されています。
音系で有名なのは「M3」という即売会です。「M3」は音楽中心の即売会で、春と秋の年二回の開催の他特別イベントも開催されています。

コミックマーケット公式サイト
M3公式サイト

上の二つの即売会は規模が大きくサークル参加者(=出品希望者)も多いため、サークル参加者として参加するためには抽選に当選する必要があります。
また、参加には参加費用が必要で、コミケの場合は申込書と参加費あわせて8,500円、それ以外の即売会はコミケの半分以下が多いようです。
これに、交通費や宿泊費、飲食費などがかかる事になります。
(コミケの参加費用が飛び抜けて高いのは、警備の人員を増員しているのが主な理由です。開催期間中およそ750人の警備要員を動員しています)

同人ショップで販売するときに比べて費用がかさみがちですが、ファンと直接交流できるのが即売会の醍醐味です。
なお、コミケやM3の場合企業のサークル参加は制限されています。詳しくはそれぞれの公式サイトおよび各イベントのカタログをご覧ください。


アルバム販売代行
主にインディーズレーベルのアルバムを取り扱っている販売店やサイトでは、自主制作のアルバムの販売代行を行っている場合もあります。
アルバム販売代行サービスを利用するにはそのサービスの審査に合格する必要があり、この辺りは同人ショップと同様です。
多くのサービスでは販売代金の3割から4割を販売手数料として徴収しています。

近年のアルバム販売代行サービスはネットでのダウンロード販売にも力を入れているところが増えており、独自のダウンロードサービスだけでなく、大手の音楽ダウンロード販売サービスと提携するところも増えています。


アマゾン
amazon.co.jpでは委託販売サービスも行っています。

Amazon e託販売サービス

個人でゲームを開発している限りはちょっとお世話になることはなさそうです。


直販
その気になれば、元手不要在庫不要で行う事の出来る販売形態ですが、たいていの場合はショップや即売会の売れ残りをさばく場となるでしょう。

ひと月に数枚の販売枚数なら直販だけでも問題ないでしょうが、毎月十数枚以上売れるようなら他の方法を真剣に検討すべきです。






「AppStore」での販売
アルバムを「音楽集アプリ」とする事でAppStoreでも販売する事が出来ます。制作自体は簡単ですが、ちょっとしたゲーム性を付け加えた方がダウンロード数は伸びるかもしれません。また、この方がAppleの審査を通りやすいと思われます。
同様の方法で「映像アプリ」も制作できるでしょう。

AppStoreでしか販売できないのが欠点といえるかもしれません。






次回【「デジタル音楽販売サービス」での販売
土曜日にはあがるかな……

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