安くて楽しいiPhoneゲーム。でも、制作者はちょっと大変です。
iPhoneアプリは様々なアプリが提供されていますが、なかでも最も数が多いのがゲームです。
その割合たるや全アプリの約2割強。App Store開始当初の3割のシェアからは若干少なくなりましたが、それでもまだまだ最大勢力となっています。
日本のAppStoreの配信数は今どれくらい?(08/12/09調べ)
また、IT PLUSの記事「2008年のトップ10に入ったiPhone用ゲームタイトル」にもあるように、iPhoneゲームは他のプラットフォームならば数千円はするようなアプリが格安で配信されています。
質が高く、かつ安いiPhoneゲーム。ゲームで遊ぶには何ともうれしい環境です。
ですが、制作側からするとこの状況はなかなか難しい状況と言えます。
| 価格 | アプリ数 | 割合(四捨五入) |
| 08/12/15調べ | ||
| ¥0 | 542 | |
| ¥115 | 1,025 | |
| ¥230 | 437 | |
| ¥350 | 257 | |
| ¥450 | 83 | |
| ¥600 | 160 | |
| ¥700 | 34 | |
| ¥800 | 7 | |
| ¥900 | 28 | |
| ¥1,200 | 18 | |
| 価格分類 | アプリ数 | 割合(四捨五入) |
| 08/12/15調べ | ||
| 無料 | 542 | |
| ¥350以下有料 | 2,031 | |
| ¥450以上有料 | 18 | |
このグラフは2008年12月期のApp Store(Japan)の価格調査をもとにしたグラフです。
(価格調査のまとめはもうちょっと待っててくださいまし)
このグラフでは、115円のアプリが圧倒的に多いことがわかります。また、グラフ2からは無料アプリと350円以下のアプリで全体の9割を占めるという低価格構造になっていることもわかります。
配信一本当たりの単価の低さは、お客さんが買いやすくなるという点では悪いことではありませんが、その分たくさん売れないともとがとれないということになります。
「ならばたくさん売れるように宣伝などで努力すればいいじゃないか!」という意見もあるでしょうが、ハドソンやKONAMIのような大手ならともかく、小規模のソフトハウスや個人の開発者がいくら宣伝したところでその効果はたかがしれています。
パッケージ売りのゲームの場合なら、メーカー、問屋、仲卸、小売りと各段階で様々な宣伝広告がうたれるわけですが、iPhoneアプリの場合、広告手段は基本的にメーカー広告かウェブ媒体に限られてきます。
(iPhoneがゲーム機のプラットフォームとしての認知度が高くなれば幅広いCFなど出来るでしょうが、それが出来るのはやはり大手だけですしね)
この状況にあって、ユーザーの目に触れてもらう最良かつ効率的な方法はただ一つ。
App Storeのランキングに入る
ということになります。
前出のIT PLUSの記事にもあるように、ランキングの上位に入るとアプリのダウンロード状況は一気に好転するようになります。仮に115円のアプリであったとしても10日間ランキング一位に君臨すれば700万円以上の売上が確保できます。
経験則として、このようなランキングリストの場合上位10位までがよくクリックされ、50位でその十分の一。100位でさらにその十分の一といわれています(*)。
ですから、制作側としてはなんとかしてランキングの上位に食い込まなければなりません。
どんなに良く出来たゲームも、人の目に触れられなければ存在しないのと同じなのです。まさに人間本意ですね(笑
そこで制作側は無料キャンペーンを行ったり、セールを行ったり、値下げに値下げを重ねたりと様々な手でランキングに食い込もうと必至です。
もちろん、値下げすればそれだけ利益は減りますが、売れないことにはどうしようもありません。
こうして、低価格化に拍車はかかり、新規アプリはそれに対応して最初から低価格にせざる得なくなります。最初から低価格で投入すると決まっているならば開発費はあまりかけられません。そうなると、質の高いゲームを出すのは大手だけという状況にもなりかねません。
まあ、遊ぶ側としてみると、そうなったらそうなったでいいんですけどね(笑
ただ、誰でも参入でき多様性を維持しているApp Storeの仕組みがiPhoneの販売を支えている面もあります。低価格競争の果てに多様性を保てなくなったときiPhoneは果たしてどうなるのか。来年以降この状況に変化はあるのか。注意深くみていきたいと思います。
でもまあ、わたしを含め個人の開発者は、売れようが売れまいが自分の好きなアプリを開発し続けるんですけどね(笑
(*)
日本市場はさらにシビアで、3位以内までがよくクリックされ、11位で十分の一50位でその十分の一といわれています。
日本市場だけを相手にするのは、避けた方が良さそうです。母数もまだ小さいしね。
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