iPhoneアプリ頒布までの流れ
アイフォーンゲームズ個人開発者互恵会鹿児島支部(仮)
iPhone/iPod touch向けアプリをApp Storeで頒布するまでのチャート。
2008年11月15日公開
2008年12月17日更新
1.インテルMacを買う。
まずは、公式開発環境であるインテルMacを買いましょう。
Windows環境やPowerPC Macでもある程度の開発は可能ですが、開発マシンの登録認証で問題が起きる可能性や潜在的なバグを誘引する可能性などがあるので、開発にはインテルMacを用いましょう。
インテルMacならどの機種でも開発に問題はありませんが、開発自体にはマシンパワーが必要となる場面が多いので、予算が許すならばMacBook ProやMac Proなどのプロシューマー向けMacを購入した方がストレスは少なくなるでしょう。
もちろん、Mac miniでも開発は可能です。
いずれの機種でもメインメモリは2GB以上は積んだ方が良いでしょう。
2.iPhone/iPod touchを手に入れる。
デバックの段階までに、iPhoneかiPod touchを手に入れましょう。
iPhoneはソフトバンクモバイルと契約中のiPhone3Gでも契約を解除した白ロムiPhoneでも何でもかまいません。ただし、iPhoneのシステムは最新のものにしておきましょう。
iPod touchは初代でも現行機種でも何でもかまいません。こちらもシステムを最新のものにしておきましょう。
GPSやカメラなどのiPhone固有の機能を用いるアプリを開発するのならば、iPhoneの入手は必須となります。
なお、iPhoneにせよiPod touchにせよ、発売された時期により処理能力に差があります。
また、iPhoneのシステムとiPod touchのシステムは微妙に異なるためどちらかにしか現れないバグというものも存在しえます。
資本能力のある企業ならば全種類をそろえてテストする事も可能でしょうが、資本力のない個人がそれを行うのはなかなか難しい事です。
今からiPhone/iPod touch向けアプリを開発するのならば、現行の機種を一台購入するだけで良いでしょう。
Ad Hocを用いて第三者にテストを頼むという手もありますし。
3.iPhone Developer Programに参加する。
iPhone/iPod touchアプリの開発者として、ADCに登録して「iPhone Developer Program」に参加しましょう。
ADC会員は無料会員と有料会員があります。
有料会員はMacの優待販売やWWDC(世界開発者会議)の登録優先権などが得られます。
興味があったら調べてみてください。
Apple IDとADCアカウントは共通のものが利用できますが、ADCアカウントの登録はすべて英語(またはアルファベット)で登録しなければならないので、日本のアップルストアやiTunesストア用のApple IDとは別のアカウントを登録しましょう。
(日本語で登録したApple IDをADCのアカウントとして利用すると、それはそれは面倒な事になります)
iPhone Developer Programの参加を申請すると数日から数週間ほどでAppleから加入申請許可のメールが送られてきます。なかなかAppleからメールが来ない場合は登録内容に誤りがあるのかもしれません。
iPhone Developer Programにはスタンダードとエンタープライズがあります。
AppStoreでアプリを頒布する場合はスタンダードを選びましょう。
スタンダードプログラムの参加費用は年額10,800円(税込・日本のアップルストアで加入した場合)になります。
4.iPhone SDKをインストール。
iPhone Dev CenterからiPhone SDKをダウンロードしてXcodeに組み込みましょう。
XcodeはMac OSXのインストールCDに含まれています。また、ADCのサイトからも最新版をダウンロードできます。
iPhone SDKの容量は1GB以上あるので、ナローバンドの方はネットカフェなどでダウンロードしましょう。ダウンロードだけならWindowsでも可能です。
IEでダウンロードに失敗する場合、safariやFireFoxなどでダウンロードするとうまく行くようです。
(個人的な経験では、ユーザーエージェントを"Mac"に変更するとうまく行きます)
5.プログラミング。
サンプルコードや書籍、ネット上の情報、そしてあなたの知恵とアイデアと妄想のありったけをぶつけてアプリを開発しましょう。
ここまでにかなりの投資をしているのです。元を取らねばやってられません。
万人をうならせるステキアプリを産み出すのです!
なお、サンプルコードを実機で動かす場合は、先に開発環境の登録を済ませましょう。
6.iPhoneシミュレータで動作確認。
開発したプログラムをiPhoneシミュレータで動作させてデバッグしましょう。
iPhoneシミュレータはiPhone/iPod touchよりも高速に動作するので、まずはiPhoneシミュレータでおおよその動作を確認しましょう。
7.開発機の登録。
Mac本体とiPhone/iPod touchを関連づけして、開発環境を登録しましょう。
ひも付けすると、今後は登録したiPhone/iPod touchでの実機でのテストが行えるようになります。
なお、登録されたMac本体・iPhone/iPod touchは、ハードウェアレベルでの認証という金断の仲になってしまうので、物理的な故障にはくれぐれも注意するようにしましょう。
認証のやり直しは意外に面倒だったりします。
8.実機テストとパフォーマンスの確認。
実機で実際に動かしパフォーマンスの確認やシミュレータでは出てこなかったバグを洗い出しましょう。
iPhoneシミュレータはiPhone/iPod touchのシステムを完全には再現していないため、シミュレータでは出てこなかったバグなどが見つかる事は日常茶飯事と思っていてください。
(さすがに致命的なバグが出る事はそれほどありませんが……)
また、シミュレータはMacのCPUパワーで動いているため実機よりも高速に動作するので、製作したアプリを実機でテストするとパフォーマンスに問題が出る事もよくあります。「Instruments」などのアプリケーションを駆使してパフォーマンスの最適化を図りましょう。
9.銀行口座の開設(有償で頒布する場合)。
AppleからAppStoreでの売り上げを受け取るための銀行口座を開設します。
Appleからは販売された各国の通貨で送金されるため、外為取り扱いの出来る口座を開設しましょう。
また、一口に「外為取り扱いの出来る」といっても銀行によりその内容は千差万別です。損をしないよう、自分に合った口座を慎重に選びましょう。
10.EINの取得と租税条約の免税措置の申請(法人・団体が有償で頒布する場合)。
AppStoreはアメリカの会社であるAppleによって運営されています。
ということは、日本居住の我々がAppStoreでアプリケーションを有償で頒布するという事はAppleというアメリカにある会社にソフトウェアを輸出してAppleに代行販売を依頼しているという事にもなります。
つまり、AppStoreでアプリを売った場合、アメリカ国内で収益を上げているという事になり、収益を上げている以上税金を払わなければなりません。
しかし、販売を代行しているAppleはアメリカの会社であり、我々は日本に住んでいます。両方の国の税法に従うならば、アプリの売り上げの30%がアメリカで源泉徴収され、さらに10%(または20%)が日本で源泉徴収されることになります。
なんか、とんでもなく理不尽です。
そこで、日米の間では租税条約というものが結ばれており日本国内に居住している人はアメリカで源泉徴収を受けずにすむようになっています。
(詳しくはもっと複雑な話なのですが、簡単にいうとこんな感じです。詳しく知りたい方は専門家に聞いてください)
ただし、アメリカで源泉徴収を受けないようにするためには、あなたが日本国内に居住している事をアメリカの内国歳入庁(IRS)に知らせ、日本に居住している承認を得なければなりません。
具体的には、IRSから「EIN(Employer Identification Number:雇用者番号)」という外国法人向けの米国納税者番号を取得し、「from W-8BEN」という書類をIRSに提出することになります。
日本国内の居住者と非居住者の区分は以下を参考にして下さい。
居住者と非居住者の区分 - 国税庁
まず、IRSのサイトから「Form SS-4」という申請書をダウンロードして必要な内容を記入し、IRSにファックスします。ファックスはコンビニのファックスサービスからでも特に問題ないようです。
二週間から一ヶ月ほどするとIRSから文書で「EIN」が通知されます。
「EIN」を取得したら、AppStoreでアプリケーションを「販売」するために必要な事項を専用サイトで記入します。記入内容を送信するとAppleから記入済みの「from W-8BEN」が送信されてくるのでコレをプリントアウトし、署名(筆記体、もしくは日本語。以後の署名はすべて同一の言語にする事)して指定されたAppleの住所へ郵送します。
「from W-8BEN」はその後AppleからIRSに申告される運びとなります。
なお、米国国籍の人やグリーンカード所有者は別の手続きが必要となります。
11.アプリケーションの送信。
開発したアプリを送信し、アプリの説明書きを記入します。
日本人のみを対象としたアプリでない限り、英語での説明書きがあった方がより多くのユーザーにダウンロードしてもらえます。
12.審査。
アプリを送信すると、数日から数週間かけてAppleがアプリの内容を審査します。
審査内容に問題があると、Appleから問題箇所を知らせる連絡があります。問題箇所を訂正後再度アプリを送信して再び審査を受けます。
問題箇所がなくなるまでこれを繰り返します。
問題箇所がアプリの根幹に関わる内容である場合は、アプリの公開を諦めなくてはなりません。
13.サポートサイトの開設。
アプリケーションの情報を知らせるためのwebサイトを用意します。
AppStoreではアプリの頒布と説明が行えるだけなので、ユーザーや未来のユーザーにより多くの情報を知らせるためにサポートのためのwebサイトを用意しましょう。
独自ドメインでのサポートwebのほうが見栄えは良くなるでしょうが、無料のwebサービスでも何ら問題はありません。
ぶっちゃけ、気分の問題です。
14.公開。
審査を通過すると、おめでとう!無事公開となります。
その後……
公開後もまだまだやる事は山積みです。
ユーザーのサポート、公開後に見つかったバグの修正、アップデートしたアプリの審査、etcetc……
さらに極めつけは、Appleがいきなり行うアプリの公開停止処分……
開発者の眠れぬ日々は続きます……
がんばれ開発者!負けるな開発者!
栄光のその日まで、闘え!!開発者!







